設立経緯
工学院大学工学部化学工学科エネルギー化学工学研究室(創設:昭和48年4月、後にKUCELとして国際的な学術活動を展開)における水素吸蔵合金に関する研究が注目を浴びることとなり、折からの第二次石油ショック状況下にあって、水素貯蔵材料技術に関する共同研究や委託研究が国立研究所や企業との間で行われるようになってきた。このため、大学における水素吸蔵合金利用技術に関する基礎研究成果の産業技術化を図る目的をもって、工学院大学常務理事会、富士フィルター工業、三井物産、日本重化学工業、中央電気工業などを設立発起人とする日本初の大学基盤型の研究開発専門会社として昭和61年2月に設立された.

会社沿革    
当社では,内外の博士課程およびポスドクレベルの優れた若手手研究者を積極的に受け入れ,公的研究機関や民間企業との強力な支援と協力のもとに,水素貯蔵合金のもつエネルギー変換機能を中心とした材料機能に関する研究開発成果と蓄積を図ることによって,大学における基礎研究(R&D)の産業技術化(D&E)に結びつけるための知見の集積をはかってきた。

1990年から10年間にわたって実施された水素吸蔵合金の表面機能向上のための研究は、「フッ化水素吸蔵合金(Fluorinated Metal Hydrides)」として、水素貯蔵合金の表面特性の向上に寄与することとなった。

2000年以降、すべての研究開発を水素化ホウ素ナトリウムの水素貯蔵およびエネルギー変換機能に関する課題今に集中し、数々の成果をあげてきた。2005年4月以降、過去20年にわたる研究開発専門ベンチャーから産業技術化のための」技術移転専門ベンチャーへの移行をはかりつつある。特に、水素貯蔵材料として最も実用化に近いものとして、硼砂資源を原料とするボロハイドライド類の新規な製造・再生技術の国際間協力による開発を進めている。

現在は、水素化ホウ素ナトリウムを水素供給材料とするPEM型燃料電池用水素貯蔵・供給技術、新型燃料電池(DBFC)技術、水素発生用触媒技術、硼砂原料を用いた信製造・再生技術などの開発成果を生かした水素貯蔵材料技術の産業技術化のための技術移転事業に特化している。 


昭和61年

2月

日本初の産学共同研究開発会社として、資本金75,000,000円にて設立。

4月

金属水素化物開発センターを設置し、CHES(総合水素エネルギー{利用プロジェクト} の展開。

4月

平田光穂(東京都立大学名誉教授、分離技術懇話会会長)を所長に迎え、分離技術開発 センターを設立、超臨界ガス抽出、膜分離等の高度分離技術およぴバイオリアクターの研究開発の堆進。

昭和62年

2月

金属水素化物を用いた世界最大規模の夜間電力蓄熟システム(能力50MW-hr)の開発に 成功し、工学院大学八王子校舎研究棟の冷暖房装置として納入。

4月

東京電力(株)との間で夜間電力貯蔵型蓄冷蓄熱ヒートポンプの工学的評価に関する共同 研究に着手。

10月

米函ハワイ州政府及びPICHTR(太平洋先端技術開発センター)との共同により、総合 水素エネルギー利用システムであるCHESプロジェクトの開発に着手。

昭和63年

4月

通商産業省工業技術院より「石油代替エネルギー関係技術実用化開発費補助事業」の補助 事業を受託し、金属水素化物を利用した圧縮・熟駆動併用型ヒートポンプの開発を日本 重化学業を受託し、金属水素化物を利用した圧縮・熟駆動併用型ヒートポンプの開発を 日本重化学工業(株)と共同で着手。(昭和63年3月より3ヶ年間)

平成元年

11月

鉄道総合技術研究所からリニアモーターカー用水素エネルギー・システムの調査研究を受託。

平成2年

4月

先端科学技術・情報教育センターを設立、パソコンを活用した研究開発担当者の教育事業 を開始。

4月

エネルギー・産業技術総合開発機構より(財)エンジニアリング振興協会に委託した石 油代替エネルギー等の輸送技術に関する調査に参画(3ケ年)。

7月

NTT建築総合研究所より金属水素化物を利用したエネルギー変換システムに関する委託 研究を受託。

平成3年

4月

通商産業省工業技術院より「石油代替エネルギー関係技術実用化開発費補助事業」の補助 事業を受託し、水素吸戯合金による水素貯蔵を基にした水素安定供給システムの開発を (株)ペンカンと共同で着手。(平成3年4月より4ヶ年間)

11月

通産省工業技術院大阪工業技術試験所の指導により、水素用触媒燃焼装置の開発に着手。

平成4年

7月

(株)EDエンジニアリングより水素吸蔵合金の物性と応用に関する委託研究を受託。

10月

中国南海大学新エネルギー化学研究所の設立した森カエネルギー事業公司との間でニッ ケル水素電池の共同開発会社の設立に合意。

平成5年

1月

中国有色金属総院との間で水素吸蔵合金関連技術の実用化に関する共同開発に合意。

平成6年

1月

通産省工業技術院が推進する水素利用国際クリーン・エネルギー・システム計画(WE− NET計画)に「水素吸蔵合金による水素の分散貯蔵輸送技術」の分野で参画。

平成7年

4月

NTTリース株式会社(現 NTTファイナンス株式会社)との間で当社保有技術の技術販売に対する総代理店契約を締結。

4月

通商産業省工業技術院より「石油代替エネルギー関係技術実用化開発費補助事業」の補助 事業を受託し、フッ化水素吸蔵合金による粗製水素の利用技術に関する開発に着手。(平 成7年4月より4ヶ年間)

11月

本社を東京都新宿区西新宿1−24−1エステック情報ビル27階に移転。

平成8年

3月

資本金を2億9千500万円に増資。

4月

当社保有特許の商業化推進のため、三井物産(株)とNTTリースとの間で業務提携契約を締結

平成9年

2月

日本重化学工業(株)に対し、ニッケル水素電池用フッ化水素吸蔵合金製造にかかわる技 術移転を行う。

7月

公益信託富士ビジネス育成基金より「自動車ニッケル・水素二次電池の開発」に関する助 成を受託。

平成11年

6月

科学技術振興事業団より「ニッケル・水素電池へのフッ化水素吸蔵合金の適用」に関する 委研究を受託。

7月

中小企業総合事業団より日本版SBIRにあたる「水素吸蔵合金用高性能熱交換器の実用化開発」委託研究を受託。

平成12年

3月

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より「燃料電池の実用化のための基 盤技術の開発・実証」の委託研究を受託。

4月

鉄道総合技術研究所より「ディーゼル代替鉄道車両用水素貯蔵・供給 システムに関する基礎研究開発」の委託研究を受託

平成13年

4月

ホウ素水素化物を利用した水素発生液体燃料開発および燃料電池開発を行うためH-GeneTechTMAllianceを 立ちあげ参加企業との共同研究に着手。

4月

鉄道総合技術研究所より「硼素系液体燃料を使用した燃料電池の鉄道車両適用検討作業」 の委託研究を受託

平成14年

4月

14年度大学発事業創出実用化研究開発事業(高容量常温作動ボロハイドライド液体燃料電池の実用化研究開発)に研究員を派遣。

4月

鉄道総合技術研究所より「ホウ素系液体燃料の燃料電池車両への適用に関する検討作業」 の委託研究を受託。

平成15年

 4月

15年度大学発事業創出実用化研究開発事業(高容量常温作動ボロハイドライド液体燃料電池の 実用化研究開発)に研究員を派遣。

 4月

鉄道総合技術研究所より「ホウ素系液体燃料の実用化に向けた検討作業」の委託研究を受託

 5月

本社・蓼科研究センターの完成に伴い本社を長野県茅野市北山5522-イ-8に移転。

平成16年

4月

鉄道総合技術研究所より「ホウ素系液体燃料再生装置試作試験」の委託研究を受託。

平成17年

4月

鉄道総合技術研究所より「ホウ素系液体燃料の燃料電池への適用に関する検討作業」の委託研究を受託。

12月

新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)より「災害非常時用電源としての新燃料電池の市場化調査」 の先導調査委託事業を受託。

平成18年

4月

平成17年4月以降、1年間の準備期間を経て、大学基盤型研究開発ベンチャーから水素エネルギー技術の産業技術化のための技術移転専門ベンチャーへの移行をはかっている。

 10月

世界最大の硼砂資源埋蔵量をほこるトルコ国における水素化ホウ素ナトリウムを中心とするホウ素系水素貯蔵材料の新規な製造・再生技術開発への取り組みを開始。

 11月

鉄道総合技術研究所より「燃料電池鉄道車両へのホウ素系液体燃料による水素供給に関する検討作業」の委託研究を受託。

平成19年

6月

天然資源としての硼砂を原料とする水素化ホウ素ナトリウムの製造・再生プロセスの国際間開発に着手。